優しい時間


「知らないよ・・・。
原田くんに聞いて??」


りこちゃんの
眉間にシワがよる。


「嘘つかないでよ!!!
あの原田くんが
嘘であんたと付き合っ・・・」


「お前は原田の
何を知ってんの??」


怒鳴る声を
途中で遮られる。


ぱっと後ろを
振り返ると聖が居た。

「今、<あの原田くん>
って言ったよな??
原田を語れるほど
あいつの事知ってんのかよ??
俺もあんま知らねーけど。」

いつから居たのかな??

りこちゃんは
小走りで教室を出ていった。

「大丈夫か??
何もされてない??」

「あ、うん!!
大丈夫だよ♪
ありがとう。」

そっか、
と優しく笑った。


私たちは
靴箱に向かい
学校の前の坂を下る。


「なぁ今度の土曜、
どこ行く??」


デートかぁ・・・。


「んーっとねぇ・・
遊園地行きたい!!」


電車で
1時間半くらいの所に
大きい遊園地がある。

「おぉ!!いいな!!
遊園地行こ。
じゃあー10時に
駅前集合な??」


「わかった!!」


私たちは
手を振ってわかれた。


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