優しい時間
用事っていうのは
母さんのお見舞い。
2、3年前から
ガンで入院している。
あ、流嘉だ。
何か見た事ある女に
連れていかれた。
あら??
河上は帰るんだ。
・・・ついてってみよ。
誰も居ない教室。
何やら2人で話している。
声小さくて聞こえねぇ。
―知らないよ・・・。
原田くんに聞いて??―
原田??
―嘘つかないでよ!!!
あの原田くんが・・・―
もう聞いてらんねぇ。
「お前は原田の
なにを知ってんの??」
まじで何様だよ
この女。
俺が少し言うと
すぐ逃げやがった。
俺と流嘉は
少し重いあしどりで
靴箱に向かう。
「なぁ、
今度の土曜どこ行く??」
今まで暗かった
流嘉の表情がぱっと
明るくなる。
「んーっとねぇ・・・
遊園地行きたい!!!」
遊園地なら近いし!!
楽しそうだし!!!
「おお!!いいな!!
遊園地行こ。」
10時に駅前で
待ち合わせをして
それぞれの帰路についた。
つっても俺は
病院だけど。
今日は何持ってって
やろうかな・・・。