優しい時間
家庭
―流嘉Side―
私たちは
誰も居ない屋上に来た。
グランドでは
体育の授業をしている。
「風きもちーね。
聖ー。」
「おー。」
聖も何だか
嬉しそうだし。
「なぁ流嘉。」
「ん~??なに??」
綺麗な空から
目線を外し聖を見ると、
聖は私を見つめていた。
「俺の母さんさぁ
ガンで入院してんだよね。」
え・・・?ガン・・・???
「だ・・っ大丈夫なの??」
「今はめっちゃ元気。
でさ、その母さんが
お前連れてこいって
言ってんだけど・・・。」
私??!
私何かが会いに行って
いいのかな??
「私は会ってみたいけど
いいの・・・??」
聖はニコッと笑った。
・・・・かわいい。
聖の笑った顔
大好きだなぁ。
「じゃあ決まりな!!
今日会いに行こうぜ♪」
「うんっ!!」
5限目の終了を
チャイムが告げる。
「帰りの支度して
もう行こうぜ。
6限目はもういいだろ♪」
私たちは
教室に戻った。