優しい時間
こっちに転がってきたボール。
聖かぁ。
ボールとってって言ったのに、こっちまで走って来てる。

「わざわざこっちまで来なくても、そっちまで投げたのに??」

私は笑いながら言う。

「どうした???足・・・」

私の言葉を無視して、
足の事を聞いてくる。

「階段から落ちてくじいたのっ。だから、見学中ー♪」

そう言うと聖が
ふっと笑って私の隣に座った。

「そんな事なら、早く言えばいいのに。
そしたら俺、一緒に見学してるしね??」

「いいよ!!聖に悪いし、
1人でも全然平気だから!!皆と遊んできて??」

聖が私の手をぎゅっと握る。

「え・・・」

「お前さぁ・・鈍すぎ。
まぁいっか。
俺がこうしたいだけだから気にすんな?」

「・・・うん。ありがとう。」
そんな、聖の優しさが
素直に嬉しいかったんだ。
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