ラブフェチ〈短編集〉
ほんとの気持ち
「ちょ、ちょっと!」
「……なんだよ」
あきらかに不機嫌な声で返事をしてくれる
私、何か不機嫌にさせることした?って、哲のことを気にしすぎ!!
「腕痛いから、離して!」
「………」
そう言ってもすたすたと歩いて行く
なんで何も答えてくれないの?
もう…限界だよ!
「意味分かんないよ!なんでこんなことするの?」
「意味分かんないのはそっちだろ!!」
びくっ
え…哲が、怒った……?
前をすたすたと歩いていた哲は私の腕を思いっきり引っ張りながら公園に連れ込んだ
そして、足が止まると明らかに怒っている顔を私に向ける
「今日俺、お前に待ってろって言ったよな?なんで、帰ろうとするんだよ!」
「な、なんでって…。」