ラブフェチ〈短編集〉
「………」
ちらっと哲をみると悲しそうな顔してる
……なんで?
「あ、あの、さと「一回で聞き取れよ。今日、ヒマならどっか行こうぜ。てことで、放課後校門で待ってろ」
そう言って隣にいる女子とさっさと教室を出ていってしまった
……さっきの顔、私の見間違いかな?
「九条の奴、彼女にあんな態度でいいわけ?」
「わっ、慎ちゃん!」
いつの間にか慎ちゃんは私の前の席に座っていた
「陽菜もよく耐えれんね」
「あはは…まぁ、いつもの事だから、ね」
乾いた笑いが私の口から出る
だって仕方ないじゃん。哲をつないでおくには無理でも聞かなきゃ出し…
はぁ…
ボソッ
「……ほんと、そんなに悩むんだったらオレにすればいいのに…」
…ん?