華麗なる反抗期




あれから、ずっと羽夢と気まずいまま。

先輩の告白も返事してない。

「……わたしって、なんて中途ハンパな女なんだろう……」
「何いってんの。今日は、ほら」

クラスの女子が笑顔でいう。

「今日は、文化祭でしょ?」

……そう、今日は文化祭。

こんな沈んだ気持ちで迎えるなんて、思ってなかった。

「がんばって盛り上げようね!」
「うん……」
「どうしたの? 元気ないなー。いつものうさらしくないぞっ?」
「……そうだよねぇ……はぁ……」
「ありゃ、逆効果!? 慰めたつもりだったのにごめんねうさぁー!」

本当に、いつものわたしらしくない。

だって、だって、

「…………」

羽夢のことが好きだったなんて……。

わたしはお姉ちゃんなのに、もっとしっかりしなきゃいけないのに。
弟のことを恋愛対象として見てたなんて。

そのうえ弟を、羽夢を傷つけた。

わたしは最低な野郎だ。

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