華麗なる反抗期
そして、あっという間に時間は過ぎた。

「あ、わたし、そろそろ時間が……」
「え、もう? 残念だな」

先輩は少しだけ寂しそうな顔をした。

「……先輩」
「……?」
「わたし、先輩にいわなきゃいけないことがあるんです」

伝えなきゃいけないことが……。

「ちょっとここじゃ話しにくいんで、人のいない場所に……」
「わかったよ」

わたしたちは学校の裏庭に行った。

「で、どうしたの?」
「……」

わたしはいった。

「わたし、やっぱり……先輩とは付き合えません」

「……え?」

驚いたようだ。

「先輩……ごめんなさい。でも、わたし、他に好きな人がいるんです」

脳裏に羽夢の姿が浮かぶ。

思っただけでも胸が締め付けられる。

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