華麗なる反抗期
義理
朝。
わたしは目覚ましが鳴る音にうんざりしながら止めた。
そして二度寝をはじめる。
朝だけど、いつもと変わらなくはない。
わたしが置かれた境遇を、誰かどうにかして……。
「うさ、起きろ」
「……ほえ?」
耳元でささやかれたハスキーボイスでわたしの二度寝に幕が下りた。
寝ぼけ半分で重いまぶたをあけると……。
すぐ横に弟がいた。
「うっひゃあッ!!」
「失礼なヤツ。人の顔見て驚くなんて」
「は、羽夢! い、いいいいいま……耳元でささや、ささやいたでしょ!!」
「だからどうした」
「わたしの弱点!!」
「好きなヤツの弱点くらいリサーチ済みだ」
しれっと恥ずかしいことを口にだす羽夢。
わたしが恥ずかしいわッ!!
「てゆーかなんでわたしの部屋にいるワケ!!?」
「真希乃さんが起こして来いって」
「……はあ……」