華麗なる反抗期

授業中。
またまた先生の話も聞かず、わたしは羽夢とはじめて会ったときのことを思い出していた。



わたしが小学2年生になりたての春のこと。

両親が離婚した。
原因は父親の浮気だったらしい。

しばらく前から怒鳴り声のぶつかり合いは聞こえていた。
わたしにわからないように夜中に言い争いしていたみたいだが、わたしの耳には聞こえていたんだ。

わたしは母に引き取られることになった。
それが今のお母さん。

父親は……あれから一度も会ってない。どこに行ったかも知らない。

半年ほど、母の手ひとつで育てられた。
これからもずっとそうだと思った。

そんなとき、今のお父さんとなる人がわたしの前に現れた。

「うさ。これからあなたのお父さんになる人よ」
「よろしくな。うさ」

「…………」
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