華麗なる反抗期


「ただいまー……はあ……」
「おかえり」

家に帰って真っ先に抱きついてきた弟、羽夢。

「……あれ? いつもなら抵抗してくるのに」

抵抗しないわたしに羽夢は驚いたようだ。

「これから夏休みなのに、そんな暗い顔してたら損だろ」
「……わたしバカなんだもん……」

そういうと羽夢は鼻で笑った。

「お前のバカは今に始まったことじゃねえだろ」

羽夢もさやかとおんなじこという……。
わたし、本気でショゲるよ?

「だってもう高校通い始めて3ヶ月なのに、好きな先輩の下の名前すら知らないなんて!」

思い切ってそういうと、羽夢は顔をしかめた。

「……好きな先輩?」

食いつくとこ違くない?


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