華麗なる反抗期
「おはよ、うさ」
「もー朝からやめれー!」
夏休みが始まって以来、起きて部屋を出た瞬間、毎日羽夢に抱きしめられていた。
バカップルじゃないんだからホントに……。
「ちょっとー!? お母さんもう仕事行くからねー?」
「あぁおかーさーん!」
わたしをコイツとふたりにしないでー!
わたしの気持ち空しく、玄関が開く音が聞こえた。
「…………」
「じゃあ親も行ったし……」
「いーやぁー!」
キスしてこようとした羽夢の身体をぐいぐいと押して拒否する。
「わたし着替えてくるから!」
といってわたしは無理矢理部屋に戻った。
「最近やけにキスキスってうるさいんだから!」
ひとりでため息をついたとき、ケータイの着信音が鳴った。
最近ハヤリのこの歌は、さやかからかな?
「なんだろー」
ケータイを手にとって画面を見てみると、メールが一通。
『今日買い物付き合ってくれない?』
内容はこんな感じ。
「……そっか!」
わたしは思いついた。