華麗なる反抗期
わたしたちは三人で歩き出した。
「……ちょっと、羽夢、なんでついてくんの!」
さやかが余所見をしている少しの間、わたしは羽夢に小声でそう聞いた。
さやかにバレないように、あくまでも小声。
「だって、うさとデートじゃん」
「……あのねぇ」
アンタもさやかと同じようなこと思ってたんかい!
てゆーか三角関係っぽいんだけど!
羽夢はあと、と付け足す。
「うさが変な男に引っ掛けられないか護衛」
しれっとそういう羽夢。
「平気だってば!」
過保護か!
「何が平気なのー?」
「あ、さやか!」
やば、つい大声で……。
「なんでもないよ」
「あ、そう? それより羽夢くん、わたしいろいろお話したいなー」
「はい、なんですか?」
さやかの隣にさわやか笑顔で駆けつける羽夢。
くそ、ミスター猫かぶり!