華麗なる反抗期

「……ふたりで、何やってんの?」
「あ、さやか!」

さやかが気づかないうちに戻ってきていた。

手つないでるとこ、見られた……!

「あ、あの……これは……」

と、必死に弁解しようとしながら、わたしはつないだ手を振り解いた。

さやか、ショックだっただろうな……。
好きな人とその姉が手つないでイチャついてた、なんて。
い、いや、イチャついてたわけじゃないけど……。

隣の羽夢をちらりと見る。

羽夢は、わたしが振り解いた手を見てショックそうな顔をしていた。

それを見て、なぜか胸がズキッとする。
わたしは……どうすればいいの……?

「それで……その……わたしは」
「や、ふたりって仲いいんだねー!」
「…………へ?」

さやかが笑っていったその言葉にわたしは拍子抜けした。

「手つないだりさ、現代の姉弟はそうそうできないよね! すごい仲いいんだね! わたし、感動しちゃった!」
「はぁ……」

よかった……。
さやかが傷ついてなくて。


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