華麗なる反抗期
弟が牙をむく
次の日のこと。
朝目が覚めて、わたしは部屋をでた。
「あ」
「……」
起きて早々、向かいの部屋の羽夢と出くわす。
「おはよ」
「…………」
無視かよっ!?
そんなわたしをよそに、羽夢はわたしの前をずかずかと歩き始める。
羽夢がいて前が見えない。
そういえばこいつ……確か170センチとかいってたっけっか……。
対してわたしは……背の順一番前になった記憶しかない……。
わたしは身体測定のときを思い出す。
『南野さん……〇〇〇センチですよ』
『ガーン!!』
「…………」
保険医さん、あと10センチプラスの間違いじゃないですか? といいたくなったよ……。
「……むー」
身長まで生意気な弟め……。
わたしより〇〇センチも大きいだなんて……。
前にいる弟の背中を思いっきり睨んでやったとき。