華麗なる反抗期

「わたし、さやかを傷つけたくなかったの。自分からいいだしたのに……ゴメン」

のどにあった鉛が、なくなった気がした。

わたしは、手を振り解いたときから、羽夢の辛そうな顔を見たときから、謝りたかったのかもしれない。

その後は、なぜか泣きたくなってきた。

そんなわたしの頭を、羽夢はなでる。

「いいよ。だから、そんな辛そうな顔すんな」

求めていたぬくもりは、優しかった。



< 92 / 135 >

この作品をシェア

pagetop