苦しみの(涙)



恐ろしいものは見ないようにして、門を潜った。





「ひぃっ!!」




どこもかしこも


紅い




あかい








いつもきれいな白壁が紅。
それは夕日のせい?





ゆっくりゆっくりと屋敷の内部へ向かう。



私の鼻は麻痺したのか何も匂わない。






至るところに転がっている物体を直視しないようにしないように。震える手を握りしめた。







恐い


兄者、母様、父様









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