苦しみの(涙)



水の塊が兄者の攻撃を確実に防いでいる。






雨に濡れて体温が奪われていくのに、背中に感じる龍轍の熱が寒いからか余計に感じる。





私は知っている?この熱を、ぬくもりを






「本当に忘れているのか?龍樹?あの宮を……?いったいどんな宮だった?」



抱き締める力に力を込め私を引き寄せる。




宮?







考えても考えても頭の痛みは酷くなる。


だが…そんな痛みの中で垣間見えるのは……―――





















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