薬指~未来への誓い~

突然の告白

『遅くなってゴメ~ン!!』


3日前に買ったモノトーンのお気に入りのワンピース。

急いで来たんだけど、女の子は支度に時間がかかるのよ!!



『倖知遅いっ!!』

待ちくたびれたように少し頬を膨らまされた。

『智哉が早すぎなんだよ~!!』

『寒い~!!』


12月。もう風は冷たい中、ホットの缶コーヒーを飲み干して、ニコッと笑ってくれたのは智哉(トモヤ)。


私と同い年のクセにちょっと偉そうな生意気な所が余計だけど、キレイな黒髪と深いブラウンの瞳が私のお気に入り。

そんな智哉は…私の彼氏。



私が流産に至った時から、月日は2年半が経とうとしていた。



真吾とは別れたわけじゃない。

智哉とは、いわゆる“不倫”の関係。



流産をして以降、簡単に笑えたわけじゃない。

いっその事、暗闇の中で息絶えれたら…と、自虐的な事まで考えるようになっていて…。


真吾は献身的に私に尽くしてくれていたのに
それでもやっぱりツラくて、苦しくて、どこにも行き着くことの出来ない想いを殺す事が精一杯でいつの間にか“笑顔”を失っていた。



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