薬指~未来への誓い~
真吾に対して「たすけて!!!」と、気が狂う程泣けたら…



由樹に対して、「あんたさえいなければ!!!」と、気が狂う程怒れたら…



消えた小さな命に「逝かないで!!!」と、気が狂う程叫べたら…




なんて良いのだろうと思う。






けど、現実にはそんな事出来やしない。



何を言っても、過ぎ去った時は戻らないという事を嫌と言うほど思い知らされた。






気が狂う程泣いたら、今が過去に負けちゃいそうだから…


気が狂うほど叫んだら、顔を上げる事すら出来なくなっちゃいそうだから…




暗闇の中でうずくまっている心を奮い起こしたくて、涙のかわりに汗を流していた。






でも、走っても走っても光は見えなくて、くじけそうになる。


だからまた走る…。



いつの間にか暗闇の中で走り続けていた…。



ゴールテープなど
どこにあるかも分からないのに…。





これこそが永遠なのだと錯覚してしまうような負のループ。



それでも…、

もし、智哉が私をループから解き放してくれるのなら…………




『お願い…します』


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