薬指~未来への誓い~
私は、真吾の想いから…
自分の現実から…
今でも目を反らし続けている。



自分で自分の心を置いているその暗闇の中の孤独を現実逃避するために、智哉の温もりを利用してるんだ…。


偽りの温もりでも、構わない…と思って。



けれど、付き合っていくにつれて、偽りのない温もりをくれる智哉に心が苦しくなる…。


贅沢で…
我が儘で…
自分勝手な…
ズルい私。 





『そう!!もう、いらないんだよね~私。旦那とラブラブに戻れそうだからさ♪』


……私のうそつき。


そう笑って言ったら、智哉は怖い顔をした。

『分かった。なら、別れよ。良かったじゃん』


そう言うと、グイッと私の腕を引っ張った。


『――ッ!!』

智哉の唇に、あと3センチもない至近距離!!!


『じゃあさ、最後にキスさせて』

『…と もや??』

『今までさんざん甘やかしてやったんだから、最後くらいイイいだろ!!』



私はあっという間に押し倒されて、初めて見る智哉の表情が目の前にあった。






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