薬指~未来への誓い~
抱きつかれてるから智哉の表情は見えなかったけど、温もりだけはいつもと何も変わらない。



『どうしてしないの!?』

『倖知が抵抗したら本当にしてやろうかと思ってたよ』

『意味わかんない』

『嘘つきは抱いてやらん!!(笑)』



耳元でクスッと笑った智哉の吐息がくすぐったくて、初めて一瞬だけ身を強ばらせた。



『嘘ってなによ!?』

『旦那さんとラブラブって、嘘だろ??』

『なっ!!嘘じゃないもん!!』

『それに、オレ初めて聞いたし。倖知がずっとツラかったの理由が、旦那さんとの事だなんて…』

『あ……』



初めて言った事に、気付いた…。
アホなのはホントだなぁ…。。。



『本当に俺はもういらないの??』

『……ゴメン』

『ツラくない??また、走らない??』

『……走らないよ』


智哉は私から離れようとしないから、私が智哉の肩を押して離れた。



これ以上抱きしめられていたら


智哉の温もりに、また甘えてしまうから…。



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