薬指~未来への誓い~
にこやかに笑みを浮かべる由樹の元へ1人の男の子がやってきた。






『俺も、やめとけって言ったんだけどな~。どうしても行くって聞かねぇんだよ』


やってきて話かけてきたのは毅(たけし)。毅は真吾の入社前からの友人であり、職場の同僚。



由樹が毅に、真吾と復縁したいと相談をしていた事を私も真吾も知っている。




だから、毅から真吾が結婚する事を聞いた由樹がここへきた…と考える他ないでしょう。




『ふぅ~ん。この人が真吾の奥さんになる人?この度はおめでとうございまぁ~す』


由樹さんは、私の顔を見て不敵に微笑む。



『帰ってよ、呼んでないでしょ?』


私は苛立ち、まっすぐ由樹さんの目を見つめ返した。



ここで怖じ気づく程、私の心は弱虫じゃないんだから!!



『せっかくお祝いしに来たのにぃ~』


猫なで声で真吾に視線を送る。



『帰ってもらうよね?真吾??』


帰れって言ってよ!

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