薬指~未来への誓い~
聞きたかった…。

どうしても
聞きたかった。


『あの…』


言いずらそうにする理由は分かる。



もし、本心を言ったとして

由樹はきっと、また私が逆上しないかどうか…不安なんだよね。




私だって…
奮起しない自信なんてないよ。




もう一度、前を向こうと思った。

けど、心にあったモノがキレイに忘れたワケじゃない。





まだ、由樹の前に立ってるだけで苦しくて、

自分の足で戻ってきたくせに



ホントはこの空間から逃げ出したい…。



でも、
もう一度真吾と共にいたいと願えた今、

“あの日”の由樹の気持ちがどうしても知りたい。




興味本位じゃないの。



“理由”が知りたい。



だから…
冷静に…冷静に。





『私は大丈夫。教えて??』


少し微笑んで、落ち着いた優しい口調で由樹を促す。


私は大丈夫…

自分に言い聞かせてる。




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