薬指~未来への誓い~
『私――…』

由樹は、私と目をあまり合わせないまま伏し目がちに話始めた。



『真吾…クンは』

『真吾でいいよ(笑)』


由樹と付き合ってた時も真吾は、とても優しかった。

でも、由樹はヤキモキも、束縛もして欲しい…と、真吾の優しさに物足りなさを感じた。


だから、真吾の気をひく為に、ただの男友達と遊んだ時の事を浮気をしたと嘘をついて、“フリ”をした。



『フリ…だけのつもりだったの…。けど…』



けど…、
真吾は怒るワケじゃなく、少しの注意の後…“おかえり”と、笑いかけて由樹の事を抱きしめた。



『私のワガママだって分かってたんだけど…怒ってほしかったの…』



怒らない真吾に、由樹は一層愛されてるかが…不安だった。

いたたまれない寂しさで、本当に浮気をしてしまった。




一度きりのはずが…二度…三度…気がつけば、繰り返し。




『“俺じゃないんだろ”って―…』



真吾に愛されたかった…
けど、その結果は真吾は遠くへ行ってしまった…。



真吾と別れて1ヶ月が経とうとした頃…由樹は妊娠をしていた。
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