薬指~未来への誓い~
『由樹…申し訳ないけど…』


はっ!?
申し訳ない??



なんで?なにが?


真吾なりに帰宅を促したつもりなのだろうが、私にはその言葉の意味が理解出来ない。

招待もしてない人が勝手に来て、それを迷惑だと感じる事が申し訳ないということなの!?




『帰れってこと?』

明らかに不機嫌な顔つきで由樹は言葉を続ける…



『どうせ、あんた達はうまくなんか行かないわよ!!』




捨て台詞のように言葉を吐いて私達に背を向けた。






せっかくの挙式。


最初から、なんでこんな想いをしなくちゃいけないんだろう…




私は苛立ちを隠せないまま挙式の準備が整ったと呼びに来てくれたスタッフの方と控え室に戻った。





ついさっき、幸せに満ち溢れたキスをした控え室。



もう一度控え室に立った私達にはそんな幸せな空気はなく…




無言のまま立ち尽くしてる私に真吾は申し訳なさそうに声をかけてきた。




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