薬指~未来への誓い~
『嫌な想いをさせて、ごめんな…。今度由樹にはハッキリ言うから』


『また会うんだ…』





言い訳をされたくない。




それに…由樹とまた会えば由樹の思うつぼになるようで嫌なんだもん。



『誤解しないでくれよ…俺は倖知と、お腹にいる子供といたいんだ!そのために、倖知に嫌な想いをさせる奴とはハッキリ縁を切りたい。
俺は必ず倖知をまもるから』




またこの瞳…。
吸い込まれそうなくらい力強い瞳…。




ズルいよ……
ズルいよ、真吾。




私はこの瞳にいつも“No”とは言えないんだ…。




あなたが
好きだから…――






『ホント?』

『あぁ、ホントだよ。それに、それを今から誓うんだろ?俺は心から誓えるから』



そうだよね、今から誓う。

真吾と共に生きてゆくと…
愛し続けると…。





『分かった。大人げなく怒ってごめん。うっとおしいって思った??』



『倖知が謝る事なんてなんにもないよ』

私の目の前に立っている真吾の肩に頭を寄せると

真吾は黙って力強く抱きしめてくれた。


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