薬指~未来への誓い~
8月3日…。


陣痛はこない…。


予定日診察で病気に行ったら、赤ちゃんは下がってきてるからいつでも病院に来れるようにしてね―…だって。



そんな事言われたらドキドキして落ち着いてなんかいられないよ。



そして、8月4日。


陣痛はこない…。



夕方、真吾が仕事から帰ってきた。


『どう??』

『痛くない。また明日診察日だし、聞いてみる』

『そっか』


なんか、土壇場になると2人とも至って冷静になってるのが笑える。



夕食も終わり、お風呂も入って、いつものように温かい布団に潜って眠る。






─────……




『………痛い』



枕元にある時計はもう日付の変わった5日の午前3時。。


お腹の鈍痛で目が覚めた。。



『…んご…真吾!!』

『…んぁ…なに??』

寝ボケてる場合じゃないんだってば~!!

『…痛いよぉ……』

『―ッ!!陣痛っ!?』


布団を跳ね返し飛び起きる。



『病院っ!?』

『とりあえず…時間計ってて…』

『わ…わかった』




“―…大丈夫だよ


待ってるから…


あなたのこと


待ってるんだから…………


< 211 / 235 >

この作品をシェア

pagetop