薬指~未来への誓い~
だからこそ、彩が“私、結婚します”って少し仰々しく話してくれた時は

最初は少し驚いて……

後にすごく嬉しかった。




彩の幸せは私の幸せなんて言ったら“何様”って感じに大袈裟かもしれないけど、
私は今実際に彩と抱き合っていて幸せだと思うから仕方ない。





悠生クンから二度目のプロポーズをされたって電話で聞いたとき…



『なんて言われたの~!?』

『ナイショ~!!』

『言え~!!』

『恥ずかしくて言えない~!!』



私とハイテンションでそんな会話をしてる彩の声は弾んでいて……



『“――…俺じゃダメですか”って……アハ』

すごく照れながら教えてくれた。




全部は結局“ナイショ~”って教えてくれなかったけどさ、
彩の声は最後までずっと弾んでいた事が私には、それだけでとっても嬉しかったの。









でも……
やっぱりちょっと寂しい。


だってさぁ!!!
私の彩がお嫁に行っちゃうんだもん~!!!!


すっかり彩を私物化しちゃう。

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