薬指~未来への誓い~
『倖知も疲れてるだろうし、今日は家にくる?どぉ、真吾くん?』

私の体調も落ち着き、式場の方に挨拶も済ませ、帰宅をしようとしていた時、お母さんが誘ってくれた。



『じゃあ…行こうか?』

『私、行かない。お母さん、大丈夫だよ。自分んちに帰って少し寝るわ』



行かない…じゃなくて、行けない。



私は、真吾と話をしなくちゃいけない事があるから…。




『そう?』

『うん。また今度ゆっくり遊びに行くね』


お母さんは少し残念そうに納得して、別々の帰路につく。




自宅へと向かう車の中で沈黙に耐えれず話し始めたのは真吾の方。



『由樹との事だけどさ……』

『黙ってて。今は聞きたくない』


言い訳?


『…さっき、倖知に言われた事だけどさ…、本気で言ってるの?』

『…別れるって事?あんな時に冗談で言うと思う?本気に決まってるでしょ』


真吾が私の方を向いて真剣な顔をしてる事くらい見なくても分かる。



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