薬指~未来への誓い~
私から視線を外していた真吾はハッとして、もう一度私の瞳を力強く見つめた。



『……お腹の子供は…!?!?お腹の子供はどうするんだ!?!?俺はこれからも守っていきたい!!』

『産むよ?当たり前じゃん。この子にはなんの罪もないもん。だから産むよ』

『そこに、俺の姿は見えないのか!?!?』



真吾の想いは伝わってくるよ。


でも………


『真吾は…いないよ。私が、私の全てで寂しい想いはさせない』

『俺はどうすればいいんだよ!!!!』






ガンッ…ガンッ…!!



真吾は自分の拳を床に叩きつけた。
どこにも向けれない気持ちを叩きつけるように…。



『分かる?感謝の想いでいっぱいな両親に…、娘の幸せを望んでくれた両親に…、謝る事しか出来ない娘の気持ちがあなたには分かる??
真吾も親になるなら…自分の子供がもしそんな想いをしてるって思ったらあなたは一体どう思う?それでも、一緒にいろと言える??』

『―――ッ!!!』






自分でも分かってるよ…。



こんな事を真吾に言ったらいけないことくらい……。



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