薬指~未来への誓い~


『さて…、さっきの話だけど…』


彩は優しい口調で話を続ける。





『今、目の前に由樹って人いたら私はまちがいなくひっぱたいてるんだろうな(苦笑)

…でも、私は真吾クンと別れるってのは絶対反対!!』


『どうして??彩には…あの時の私の気持ちなんか分からないんだよ』


『確かに私には、
今の倖知の苦しくて悲しい気持ちは全部分からないよ。
けどね、父親がいない子供の気持ちなら分かるよ。
私がどうしてこう言うのか、倖知が1番分かってくれるって思ってるんだけど??』




うん…、分かってるよ………。



だって、彩には父親がいない。





あれは7年前―――


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