薬指~未来への誓い~
衝撃
私と彩はいつも通りまだ少しぶかぶかのセーラー服を来て一緒に学校へ行った。
この日の出来事を
私も今でも忘れはしない……。
『片桐!!』
2時間目の放課中に彩は先生に廊下の片隅に呼ばれた。
先生と話てる彩は明らかに顔色が青ざめていった。
彩はそのまますぐに先生の車に乗って帰ってしまった。
彩、どうしたんだろう…??
私は心配になるものの聞ける相手はいないし、
とりあえず彩の教科書やジャージをカバンに片付け、帰りに届けてあげよう…と思っていた。
3時間目が始まっても先生は帰って来ないまま、にぎやかな自習をして待っていたら
『遅くなってすまん。授業始めるぞ~』
先生は途中で帰ってきた。
『先生~?彩はどうしたの~?』
『片桐は家庭の事情で早退だ』
『ふぅ~ん…』
家庭の事情??なんだろ???
中学一年生の私はまだ“家庭の事情”なんてあまり深く考えれないまま、
授業が始まったことにため息ひとつついて教科書を開いた。