薬指~未来への誓い~
キーンコーンカーンコーン……♪♪


チャイムだ♪




3時間目が終わり、私は黒板を消している先生の所へ行った。


『先生~。彩、カバン忘れてっちゃったから、帰りに私届けに行くね~』


何気なくそう言ったら、先生は…


『職員室に一緒に来な』

少し真剣な顔つきで小声で私に話しかけた。

この時、彩になにかあったんだ……と、嫌な予感が心を走った。



足早に職員室に入り、椅子に座ると先生は私に話始めた。


『成瀬(私の旧姓)は、片桐の家と仲がいいんだよな??』

『うん。幼なじみだもん。彩とは幼稚園の頃から一緒なんだよ。……彩になにがあったの???』

『片桐のお父さんが亡くなった…』

『―――えっ……』



時間が止まったように私は固まった…。


信じられない…。




彩のお父さんには私も娘のように可愛がってもらってる…。

一緒に遊んだ…一緒に旅行も行った…悪い事をしたら真剣に怒ってくれた…。



私も大好きな彩のお父さん…。


どうして…いきなりどうして??




< 56 / 235 >

この作品をシェア

pagetop