薬指~未来への誓い~
えくぼ笑顔
『ハァ…ハァ…ハァ…ッ』
ドンドンッ!!!!
彩の家の玄関を力強く叩いた。
『彩っ!?おばさんっ!?倖知だけど!!!』
息を切らしながら何度もドアを叩くけど留守らしく返答はない。
『イテッ…』
わき腹が痛い…。
無我夢中に全力疾走してきて、痛い事に今さら気付いた…。
とりあえず、私は交差点をひとつ曲がるとある自宅へと帰った。
『ただいま~』
『倖知!!今先生から学校から飛び出したって電話あったのよ!!』
お母さん、真っ赤な顔つきで怒ってるものの…
私が彩のお父さんとお母さんに まるで娘のように可愛がってもらっていたのと一緒で、
私の両親も彩の事が大好きで心配なんだ。
『彩ちゃんの家行ったの??』
『うん。けど誰もいなかった…。また後で行ってみる』
『そう…。家にもなにか連絡来たら教えるわね…』
私は冷蔵庫をあけて飲みかけの牛乳をパックに口をつけて飲み干す。
いつもなら、『行儀悪い!!』って怒るお母さんも今日ばかりは何も言わない。