薬指~未来への誓い~
私はそれまで彩とはケンカらしいケンカなんてした事がなかった。




けど、ケンカ出来るほど仲良しでいたい!……うまく言えないけど、そう思った。




彩は私の肩に頭をのせてきて…

『ありがとう、倖知』

そして、肩を震わしてまた泣き出したんだ…。



『大丈夫だよ、彩。大丈夫…大丈夫…』



私は彩をギュッと力強く抱きしめて、彩が泣き止むまでずっとずっと“大丈夫”と言い続けていた…。


“大丈夫”という言葉が適切だったかなんて分からない。


けど、ずっと繰り返せる言葉は“大丈夫”だけだった。



────────────…。



彩を家に送り私も自宅に帰ったのは、もう月がキレイに光り輝いていた時間だった。


――…翌日。




まだ私が寝ていたら彩が部屋にいきなり入ってきた!!!




『起きてよ~!!いつまで寝てるの!?』

『ぁやぁ??どうしてここにいるのぉ???』

『おばさんが入れてくれた(笑)』



彩は私の布団をはがそうとしてきたけど、寝起きの悪い私は布団を離さない。


『眠いもん~~』


遊びに来たなら後にして……。

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