薬指~未来への誓い~
私がクスクス笑ってたら、真吾が私の目の前に座りこみ、まっすぐ私の目を見つめる。


――あ、またこの瞳…。


今は…この力強い眼差しから視線を外せない…。



『さっき俺が言った事、あれマジだから。俺は、俺が倖知と一緒にいたいから別れたくない!!…倖知の心についた傷を償うのに俺のこれからを捧げるつもりだから!!』

『ずいぶん、自分勝手に押し付けがましいのね…』

『………』

『黙らないでよ~!!』


瞳は下を向いてしょんぼりして、先に視線を外したのは真吾。


『そうだよな…と思ってさ。倖知に押し付けてるよな…』

『そうそう!!!』



更に真吾は落ち込む…。



『でも!!!』


また、バッと顔を上げて視線を合わせ、手を握ってきた。



『自分勝手って思われてもいい!!俺は、倖知といたい!!!俺はいつか彩ちゃんを越えるから!!!』


――なぜ彩の名前がここで出てくるんですか??




『彩を越えるのは、無理だって』

『無理じゃない!!』

『無理!!』

『無理じゃない!!!』


これは子供同士のケンカ…??

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