薬指~未来への誓い~

小さな灯火

真っ暗な暗闇の中にいた。何も見えない。何も聞こえない。



何も…何もかも……



誰か………



真吾………



助けて――――







朦朧とした意識がぼんやりとして、重い瞼を開けた視界に最初に入った光は天井からぶら下がる蛍光灯の青白い光。




私は病院のベッドの上にいた。





『倖知!?』




真吾の声が聞こえる。


『しん…ご?』


『大丈夫か??』


『ねぇ…、終わったの…?』



私がそう聞くと、真吾は私から一度だけ目線を外した。
その行為が全てを物語っているんだ。



私のお腹の中の新しい命の灯火が消えた。


私が消した。


私が守ってあげなくちゃいけなかったのに…

私が守ってあげれなかった…


小さな、小さな灯火だったのに…



私がその火を消したんだ……



私が…
私が…
私が――――――



私は手を差しのべ、真吾の手を握る。



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