little girl



「それで?…からかいにでも…
来た?」


彼がどこか吹っ切れたように

わたしの瞳をじっと見ながら、
訪ねる。


「ちがっ…」


どくん、
何故か、息がつまる。


相手の深い茶色の瞳に
吸い込まれるような錯覚が、

した。


「…っ」

「…わたし、何気なく、
 ここをとおってみたら…

とっても綺麗な唄が聞こえて…」


彼の瞳が、
わずかにひらいた。







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