宝物 〜幸せな日々〜
衝撃…と、出会い
プルル プルル プルル…
「佐久間さーん。外線2番で、お電話ですよー。」



いつもと変わらない日常。
会社での当たり前の会話。
この瞬間まで、変わったことなど、一つもなかった。

この電話にでるまでは…


「お電話変わりました。佐久間です。」

「……」

なにが、聞こえたのか、理解ができない。
この電話の相手は何を言ってるんだ?

受話器を持ったまま、動けない。
自分が、今どこにいて、何をしているのか分からない。


「佐久間さーん、何かあったんですかー?警察から電話なんてー。」


誰かに呼ばれた…。

あぁ、電話、最初に出てくれた子かぁ。

…?警察?
そうだ、そういえば、警察署の…とか言ってたなぁ。
何、言ってたっけ?

あぁ。すぐに来てくれって言われたなぁ。
妻が…亡くなった…って。
何、言ってんだか。

今朝だって、娘抱っこして、いつもと変わらない笑顔で、俺を見送ってくれてたじゃないか。

何かの間違いだ。
俺の妻じゃない。


……


警察に…、

行かなきゃ…。
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