宝物 〜幸せな日々〜
「ビールとウーハイお待たせ致しましたー」

ひときわ、元気でかわいらしい声にひかれて、思わず声の主を探した。

「なにか?」

声の子と目があって、話かけられた!!
どーしよぅ…。
と、とりあえず、注文…、注文しよう!

「あ、えと…、いちごパフェ…。

って、えー!!
俺甘いのあんま食べないしー。
たまたま見つけただけだしー。
…彼女、パフェ好きかなぁ?ってちょっと思ったら、いちごパフェだけ声にでちゃったってだけだしー。

頭の中が、軽くパニック。彼女のコト、意識しすぎ…!
別に、特別かわいいわけじゃないじゃないかー!
なのに…。

気になる!


「あ、いちごパフェですね。以上でよろしいですか?」

あ!うそ!彼女が微笑んだ!

「はい。」

って、俺、何はいとか言ってるー!?
パフェ、食べないしー!

「あ、あの?」

声までかけちゃったしー!
俺、ホントに今日どーしちゃったのよ!
…。
ダメ元!
軽く、見られてもしょーがない!

「俺、佐久間 要っていーます!23才、社会人一年生してまーす!」

…これが、ウワサの酒の力ってヤツだな。きっと。…。
っつーか、彼女、ひいてるぞー?絶対!

思いっっ切り、言いきった感が抜けない顔で、ゆっくり彼女のほうを見てみた。

「五十嵐 美樹、21才、大学4年、誕生日まであと20日の独身美少女でーす!」
ものすごい笑顔とテンションで答えてくれた。

美樹ちゃんかぁ。…。
うん。居酒屋の店員がぴったりってタイプ。



これが、俺達の出会いだった。
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