夜の雨の香りと貴方。






ドアノブを握りしめて言う。


「さようなら。色々とありがとうございました。永遠にさようなら。」


こんな陽気通り越してふざけた人のとこにはいられない。


出会ったのだってただの偶然。



「じゃあそれ脱いでよ。」


「え?」


彼の指が指す延長線上には私が着ている彼のスウェット。



「それさ、生憎俺のなんだよねー。あーあ、盗まれちゃった。」



くうううぅぅっ……

さっきからこの人は!


「わかった。脱ぐ。」


ムカついた私は普通にそれを脱ぎ捨てて、買ってきてもらった下着姿になった。

脅しのために上だけ。



「今から下も脱ぐ。このまま帰るから。夜道、歩くから。」


呆気に取られてしゃがんでいる彼に言い放つ。


すると思った通り、

「帰らなくていいから!てか脱がなくていい!

ごめんなさい嘘です。」


って。






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