夜の雨の香りと貴方。
これで主導権は私のもの。
こんなスーツ着た宇宙人になんて振り回されてたまるか。
脱ぎ捨てたスウェットを拾い上げようとした時、またしても彼が余計なことをした。
「男の前で下着になるとか尊敬するわ。」
そう言いながらスウェットを畳み始めたのだ。
行き場をなくした私の右腕。
返してくれない…の?
「あのー……」
「よし、じゃあ寝るか。」
「はい?」
「メチャクチャにしてあげる。」
「な………。」
絶句。
何この人、宇宙人な上に変態なわけ?
それにさっき何もしないって言ったのに。
「はい確保。」
「ぎゃああああっ!
降ろしてよ変態!宇宙人!」
「金星人ね。」
よくわからないままお姫様抱っこされて、
再び部屋の奥へと戻ることになった。