夜の雨の香りと貴方。
「会話が成り立たん。雨音、もう困らせないで。」
子供をしつける時みたいな感じで言われる。
「はーい。」
「ちょ、何か急にリラックスモードですね雨音さん。」
「慣れましたもう。
この人とはこういう感じで話すとかあるでしょう?
コウさんとはこんな感じってわかったから、楽になりました。」
「一線越えちゃった?
嬉しすぎるっ。
じゃあさ、敬語やめよ?」
「え…えー?」
それは早すぎない?
一応歳上の人なわけだし。
「じゃないとこれあげない。」
急にいたずらっ子顔になった彼がワッフルをのせてあるお皿を私から遠ざけた。
「超いじわる。」
「超とか女子高生っぽい!」
「女子高生ですから。」
ちょっと威張ってみると、
「中学生かと思った。」
「超大嫌い。」
童顔なのは知ってるけど、背もコウさんより20センチ以上小さいけど!
そうやって言うことないじゃん。
「ごめんごめん!超大嫌いとか死んじゃうから言わないで!
大丈夫。雨音ちゃんと胸あるもんね、十分すぎるぐらい。」
「は…?み、見たの?」
「自分で脱いだ!」
そ、そうでした。
いやでも、あれはコウさんが脱いでから出て行けと言ったからであって…。
睨み付けてやろうと顔を上げてみると、
「楽しい。」
とても睨んではいられないことを言われた。