夜の雨の香りと貴方。
「――っ!あははっ」
噂通り面白い。
今までの嫌なこと一瞬忘れるぐらい面白い。
そんなことさせちゃう彼らは人類の中で最強なんじゃないかと思う。
うん…………。
………………。
…紅茶のせいでトイレ行きたい。
慌てて場所のわからないトイレを探す。
そういえばここに来てから一回も用をたしていなかったような…。
廊下をうろうろしてみると、お風呂の横に発見した。
よかった…、単純な構造で。
「ふー。」
芳香剤の匂いの中でどうにか間に合ったことに安堵の息を漏らす。
そういえば、DVD一時停止にしてくればよかったな。
また巻き戻さなきゃ。
洗面所でゆっくりと手を洗いながらそう思った。
それからまた紅茶を……
『―――――なんです。』
「…へ?」
い、今リビングからコウさんの声が聞こえたような………。