夜の雨の香りと貴方。
「あ、お疲れー。って……ブカブカすぎるか。」
お風呂から上がった私を見つめて彼は言う。
それもそのはず。
だって20センチ以上身長に差がある。
「ま、可愛いし、今日だけだから我慢して。」
今日だけ。
明日になったら夢から覚めてしまうの?
「ん?どうしたの、暗い顔して。
あっ。下着のサイズ違った?店員さんに女子高生サイズをーって言ったんだけどなぁ…。」
「違くて……。」
サイズはちょっと小さいけど割りと丁度良かったし。
「じゃあアレか!お腹空いた!そう思ってさー…見て!おにぎ……」
「帰らなきゃ駄目ですか…?」
「え…?」
あっ。
何言ってるんだろう。
慌てて彼の顔を伺うと、ポカーンと口を開けている。
「いやっ、その……」
「何かあったの?さっき泣いてたし。」
さっき…………?