狼少女と王子様
頭の中が真っ白になってその場から動けない
ど、どうしよう。えっと、・・・。
ガラッ。
いきなり教室のドアが開く。
「鉑さん?」
後ろを振り返ると、伊純と水城君が
私を不思議そうに見ていた
「あ、あの、茜が・・・」
上手く言えたか分からないけど、伝わって!
水城くんは心配そうに私の顔を覗き込む。
「橋本さんがどうかしたの?」
「茜が息をしなくなちゃったの!私のせいだ。」
そう叫ぶと一瞬目を見開いたけど
すぐに私が混乱していることに気がついてくれた。
「薫、鉑の方お願い。俺、橋本保健室に運ぶから」
「分かった。」
それから水城君は混乱している私を
一生懸命に落ちつかせてくれ
伊純は茜を保健室に運んでいった。