狼少女と王子様



~渓side~



校門に見えるそいつの首元を掴む




「待て、海!」




海は歩くのをぴたりと止める




俺は一発殴ってやりたい気分だった


海は俺達で決めたルールを破ったから






振り向いた海は頬がほのかに赤くて、俺は驚いた





「誰にやられた?」


「女王様だよ。思いっきり叩かれた。」




海は俺の顔を見ず、膨れながら答える




女王様?


あぁ、アイツか




なるほどそういう理由か




「大体分かった。でも、許されねぇからな。」



俺は仕方なく海を家へ帰した


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