狼少女と王子様
真っ赤な顔で涙を流していた凜が
一度袖で涙を拭き私を見つめる
ドクンッ。
凜を見た瞬間
嫌な予感がして思わず目を逸らしてしまった
変なの。
こんな事初めてだ。
ドクドクと可笑しなくらいに鳴る鼓動
凜が急に不安そうに見つめてきたから?
ぐるぐるとそんな事を考えていたら急に
頭が痛くなった
何これ・・・・。
頭をハンマーで殴られたみたい
痛さに耐えきれずに手で頭を抑えて
チラッと横を見てみると
凛が真っ青な顔をした。
「凛?どうしたの?顔真っ青だよ?」
どうしたんだろう
大丈夫かな?
そう思い声をかけると少し顔色が
良くなった気がした
「私は、だっ大丈夫だよ。
ちょっと・・・・。」
最後の言葉を濁した
何かある
絶対私が意識を手放していた間に
何か・・・・。