狼少女と王子様
「お前のせいだっ。」
ズキズキと痛む頭を抑えながら
伊純を指差す
やばっ。
本格的になってきた。
「茜、ごめん。
寝てな、ね?」
さっきまで平然としていた凛も
やばいと感じたのか
心配そうな顔で焦りながら
私をベッド戻した
「凛、心配し過ぎだよ。」
「黙らっしゃい。」
怖いよ~
凛がお母さんみたいになってるよ~
まあ、それだけ心配してくれてるって
ことだよね
ありがたい
はぁー。
っていうことは今日二回
この男子二人に羞恥をさらしてしまったわけか
「悪かったな、海のこと。
じゃ、俺戻るわ。」
伊純は背を向けてひらひらと
手を振って保健室を出て行った
どうして
アンタが謝るのよ
お前のせいっていうのは
嘘なのに。
八つ当たりしちゃっただけなのに。